過ぎた時間は違っても
そっか、友達にも言ってなかったんだ。きっと今ここで何で言わなかったのと問いかければ詳しく訊かれなかったからだと返されて終わりなんだろうな。唯織らしいや。

「・・・唯織はさ、このままで良かったと思う?」

「・・・どれが正解かなんて分からない。でも、今は幸せだからそれで良いかな」

部長や唯織の友達と楽しい時間を過ごして、あっという間に夜が明けた。でも、二人との楽しい時間があればあるほど、俺は母を愛していないのかもしれないという不安に駈られる。
加害者の家族と関わる事すら嫌がって当たり前なんじゃないかって、被害者を愛していればいるほどそれが普通なんじゃないかって。だから、隣に寝ていた唯織にも訊いたんだ。二人を許して良かったのか。
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