過ぎた時間は違っても
結局、両親とよく行ったデパートに行く事になった。この町には学生が集えるくらいのお手頃な場所なんてそのデパートくらいしかないから。でも良かった。羽季なら町から少し離れた遊園地に行くと言いかねないと思ったから。

「大丈夫か?・・・みっともないからやめてくれないかな?」

「あなたが唯織を構いすぎなの!もっと恋人の事を大切にしなさいよ!そんなべたべたしてたら嫉妬するに決まってるじゃない!」

「やめてよ、人前で。これ以上空気を悪くしたくないし帰るね」

羽季が私を小突いてきた恋人を怒り、明穂がおかしいと怒る。確かに嫉妬だけが原因で人を小突くのはみっともないのかもしれない。でも、いくら別れたいとは言えど恋人がいるのに私にべたべたとくっついてくる羽季もおかしいと思う。
< 50 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop