恋とさくらんぼ
手を伸ばせば

騒がしい朝

昨日の姉はいつも以上に優しかった。

瓜二つでも違う人。誰より自分に近しい、異なる人。

桃は、桜と双子として産み落としてくれた母に感謝した。

「桃? 桃ぉ!」

「んっ!? どうかした?」

ぱっと顔を上げる。ふとした表紙に思考は昨日に引っ張られる。

呆れた顔をした友だちが目に映った。

「どうかしたじゃないよ。今日ぼーっとしすぎじゃない? また体調悪いの?」

「また?」

小首を傾げていると、別のところから名前を呼ばれる。

「関谷」

「あえ、宮沢おはよー」
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