クリスマスのシンデレラ
病棟の主任看護師や
手術エキスパートチームだけだが




時々彼の朝回診に同行するきっかけがあり
彼が一人一人患者に接する態度は
とても威厳がありそして誠実だった



次第に桃子は彼の患者に意識が向き
一生懸命世話をすることで
何らかの形で彼の役に立つことを喜んだ




そんなある日
ナースステーションに新藤がフラリと
やってきてカウンター越しに 
桃子をじっと見つめた



桃子は新藤に顏を見つめられて
頬が赤くなるのを感じた







「まぁ・・・新藤先生・・・
何かご用でしょうか?    」







新藤がipadを差し出した
そこには新藤の患者の電子カルテが
映し出されていた





「この患者の朝の申し送りを書いたのは君かい?」



「は・・・はい・・・」







どうしよう・・・
何か怒られるのだろうか
桃子は緊張して身構えた






「とても良く書けている
君のおかげで患者のどこに焦点を当てて
診たら良いかとても良くわかったよ   
これからも続けてくれ         」





そう言うと新藤は桃子を見て
ハッとするような笑顔を見せた

途端に桃子の頬が熱くなり
心臓がバクバク言いだした



なんて可愛らしい顏で
笑うんだろう・・・・







桃子はこの時だけは
新藤が8歳も年上でこの病院を
背負って立つ珠玉の外科医だと
いう事を忘れてしまった



それは桃子の心に淡い恋心という
小さな花を咲かせるには充分な出来事だった







それから新藤は桃子を
ナースステーションで見つけるたびに
患者の様子を聞き出すようになった






新藤の質問に桃子は的確に答えた



なぜなら桃子は新藤の回診前に
下準備としてひとり回診を行って
患者の情報を的確に新藤に伝えていたのだった






それから一か月後の事だった

桃子は新藤が離婚したことをナース達の
風のような噂話で聞いたのは・・・・


桃子の誕生日祝いや麻紀の結婚祝いやらで
日頃ハードワークでストレスも
溜まりやすい仕事のナース達は
酒好きが多いこともあって大変盛り上がり


みんなで二次会にカラオケに行って
さらに飲み明かそうと騒いでいる所

なんと桃子は財布を病院へ忘れて
きていることに気付いた




酔っぱらっているみんなに



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