あなたの愛に包まれて
千晃は履いていた靴を脱ぐ。
足の先が真っ赤な血で染まっていた。


もう涙も出ない・・・。


血に染まった足を見ながら千晃は枯れてしまった涙の代わりに流れ続ける自分の血を見つめた。


自分の心が、窓から見える木々のようにどんどんと枯れて葉をなくしていく・・・。

その代わりに自分の心が真っ赤な汚れた考えに支配されていくように思えた・・・。
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