あなたの愛に包まれて
一歩一歩向かいながら匡祐は休憩所に人影を見た。
「千晃！」
その姿に匡祐は再び駆け出す。足がもつれても構わずに千晃のもとへ走った。
「千晃っ！」
匡祐は千晃を見つけるとその体を抱きしめた。
強く強く抱きしめた。
「見つかっちゃった・・・」
そう言って弱々しく微笑む千晃。
その体はかなり冷えている。

匡祐は千晃を抱き上げると自分の車へ運んだ。
車のエンジンをかけてエアコンを一番強くし、車の中を温める。
近くにあった自販機で温かい飲み物を買い車に戻ると千晃に渡した。

「熱いぞ？」
匡祐が千晃に熱い飲み物を渡す。千晃は全く熱そうなそぶりをせずに飲み物を口に運んだ。
「千晃、寒くないか？」
匡祐の言葉に真っ青な顔をしている千晃は首を横に振る。
匡祐が千晃から飲み物を預かり口にすると冷えた体にはかなり熱く感じた。
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