あなたの愛に包まれて
そして、匡祐はもう一つの指輪を千晃に渡す。

「?」
「俺も、肌身離さず持ってた。」
千晃の指輪にはめた指輪よりも大きいサイズの指輪を匡祐が出した。

匡祐も千晃を思ってずっと持っていた指輪。

匡祐が千晃の涙を拭うと千晃は匡祐の指にはめた。

「もう一度、ここからはじめたい。」
匡祐の言葉に千晃が大きく頷く。
この時をずっとずっと待っていた。

「私も。匡祐さんと始めたい。もう一度。」
匡祐は千晃にそっと口づけるとその体を抱きしめた。

「愛してる」
「私も。愛してる。」
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