あなたの愛に包まれて
千晃の机の上には書類の山。
接客用のソファや机の上には新作のサンプルが散乱していた。

匡祐は千晃を抱きしめながらその光景にさらに心が痛む。



たった一人で・・・。



匡祐は強く強く千晃を抱きしめながら、少しでも彼女の孤独を埋められたらと願った。




しばらくすると千晃が匡祐の胸から顔を離した。
「ごめんなさい、濡らしちゃった。」
そう言って微笑む千晃。まだ新しい涙が微笑む千晃の瞳からあふれる。
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