25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
長男には、2時ギリキリに来るように言った。とにかく家の中の状況が心配で、少しでも時間が欲しかったから。


朝食を手早く済ませ、早速動き出す。隆司さんと次男に指示を出し、掃除の手伝いや必要な買い出しに行ってもらう。


もちろん自分もフル回転で動き、最後に玄関に買って来た花を飾る。


「花を飾るなんて、俺にも父さんにも発想すらなかった。そうだよな、ここには必ず季節の花が飾ってあったよな・・・。」


次男が感慨深げにそんなことを言うから、可笑しくなった。


こうして、ドタバタながら、なんとか形になったかなと思えたのが1時過ぎ。急いで昼食を済ませて、あとは2人を待ち受ける。


「なんか緊張するな。」


と次男。本人は遠慮して、今日は席を外すつもりだったみたいだけど


『ご都合が悪くなければ、弟さんにも是非お目にかかりたい。』


との相手のお嬢さんの意向で、結局ドギマギしながら待っている。


「別にお前が緊張することないだろ。」


「そうだよ、相手の娘さんの方がよっぽど緊張してるはずよ。」


と言う隆司さんと私に


「そう言う父さんと母さんも、表情ガチガチじゃんか。」 


と言い返す次男。まぁ、みんな結局ドキドキで待ってるってこと。


そして、遂にインターフォンが鳴る。時計を見れば、2時キッカリ。


「はい。」


と応答した私に


「ども。」


と、トボけているのか、緊張しているのか、あまり表情のない長男の顔が、モニター越しに目に入る。


「はい、少々お待ち下さい。」


と答えた私が、玄関に向かうと、隆司さんも次男もゾロゾロと後に続いて来た。
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