25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
「きれいだな。」


「うん。」


私達はしばし、その懐かしい光景を見つめる。


「あのさ。」


「えっ?」


「焦ったんだけど」


「何が?」


「言おうとしてたこと、全部先に言われて。どうしようかと思った。」


そう言って、横の私を見る隆司さん。


「隆司さん・・・。」


「このままじゃ、俺の言うことがなくなる。全部、君に言われちまうって。」


「・・・。」


「せめてどうしても最後の言葉だけは、自分で言いたかった。言わせて欲しかったんだ。そこから先は、男のターンだろって。」


「隆司さん・・・。」


「だから、無理矢理、ここまで引っ張って来てしまった。全部俺のエゴ、勘弁な。」


そう言うと、隆司さんは私の両肩を掴んで、私の身体を自分の方に向けさせた。


見つめ合う2人。隆司さんはじっと私を見つめ、私もそんな彼の目を真っ直ぐに見つめる。


そして・・・


「朱美のことを心から愛しています。今度こそ、絶対に朱美だけを見て、大切にして、必ず幸せにします。だから・・・俺ともう一度、結婚して下さい。」


私を見つめたまま、隆司さんはあの時・・・とは少し変わってたけど、でもほぼ同じ言葉を、私にくれた。あの時と同じように、真摯に、万感の思いを込めて。


「はい。」


その2度目のプロポーズの言葉に、私はそのひと言しか、返せなかった。だって、胸がいっぱいで、それ以上の言葉が出てこなかったから。やっぱり、あの時と同じように。


「隆司さん!」


そして、次の瞬間、私は隆司さんの胸に飛び込んでいた。


「愛してるよ、朱美。」


「私も愛してる。誰よりも隆司さんを愛してます。」


そう言い合った私達は、どちらともなく、瞳を閉じ、唇を重ね合う。それは、いつ以来かの、夫婦に戻った証の、深くて熱いキスだった・・・。
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