25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
仕事については、以前勤めていたスーパーへの復帰も考えた。


勝手知ったる仕事だし、慢性的に人不足な職場だから、歓迎はされるのではないかとは思っていた。


だけど、相手は既にいないし、事情を知ってる人もいないとは言え、やはりいろいろ思い出したくないことを思い出すのも嫌なので、ハローワークの紹介で、近くのショッピングモールにある、衣料専門店のパートに応募することにした。


面接に行くと、30歳そこそこの店長が待っていて、履歴書を一読して、いろいろと質問される。


私のワケありの現状も、黙っているわけにはいかないから、包み隠ず話して、反応を待っていると、接客業の経験とフルパート希望と土日も働けるということが評価され、OKが出た。後日、正式契約に行った時、こちらの保証人はさすがに父親にした。


仕事が決まり、収入額の目処が立ったことで、住居の方に出せる家賃額が見え、借り手市場にも助けられ、築浅の手頃な物件が見つかった。


離婚合意からほぼ2週間で、ここまで来た。あっと言う間だった。


(いよいよ、だな・・・。)


そう思った時、今更ながら、胸に締め付けられるような痛みが走った。
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