嘘つき社長と天使の恋物語

 夕飯が出来て、悠大と嶺亜は食べ始めた。


 まだ食べれないが、萌もベビー椅子に座って一緒にいる。


「あーあー」

 食べれない萌だが、2人が食べているのを見るといつも欲しがって声をだしてくる。


「萌も食べたそうだな」

「しっかり見えているものね、来月からはゆっくりだけど離乳食が始まるから。もうちょっとの、辛抱ね」


 萌は悠大が食べている姿を見て、同じように口をまねしている。


 悠大と嶺亜はごく普通にある幸せな家族を手に入れて、穏やかな日々を過ごしている。



 嶺亜の姉・芹那は刑が確定して禁固25年と言う重い刑が下された。
 
 全てを認めて悔いている芹那は以前より、とても穏やかな表情で服役中である。

 時々、嶺亜が面会に行き子供が出来た事を報告すると穏やかな笑みで喜んでくれていた。

 
 嶺亜の両親のお墓は、悠大が一緒に見てくれていて、芹那がいつか出所したらずっと命が尽きるまで守ってゆくと言っている。


 血が繋がらない姉ではあるが、嶺亜にとっては産まれた時から一緒にいるお姉さん。

 絆が深まり本当の姉妹と同じくらい大切な人である。

 その想いにやっと気づいた芹那は「もう思い残すことはない」と言っているようだ。


 結婚して名字が変わっている芹那だった為、嶺亜と芹那が姉妹である事はあまり知られずに済んでいた。




 
 さて。

 ちょっとだけ気になるサキと一樹のその後・・・。


 
 サキはあれから最上階へ無事にたどり着けました。

 そして

「私は守護天使なるの」

 と、言っていましたが…。

(お前はまだ人間として、楽しみたい願望が残っている。もう一度、生まれ変わって楽しんでくるが良い)

 と、光の存在から言われて。


 別の星で生まれ変わって、望み通り素敵な恋を楽しんでいる模様です。




 それから…。


 あのカッコいい青年の一樹は?

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