嘘つき社長と天使の恋物語

「ご飯も炊き立て? うまそう。頂きます」


 手を合わせて食べ始める和也。


「うまい! 魚もちょうどいい焼き加減だし、煮物もすげぇ最高! こんな美味しい料理食べないなんて・・・」


 和也は振り向いて悠大を見た。


「あんた最低! さっさとアッチ行けば! 」


 目を座らせてちょっと怖い目で悠大を見た。


 悠大はちょっと複雑そうな目をして、そのまま自分の部屋に向かった。


「めちゃめちゃ美味しい! やっぱ日本人は和食。和食が上手な奥さん、最高だ」



 喜んでご飯を食べている和也の声を耳にしながら、悠大は自分の部屋に向かった。






 机に買ってきた食材を置いて、一息つく悠大。


「まったく、なんなんだ? あいつは。初対面なのに、あの口調に言葉つかい。人の家に来て、私より先に平気な顔して、飯まで食ってやがる! 」


 椅子に座り、食材を見ると悠大は何故か腹が立ってきた。


「この家の主は私だ! 何故私が、こんなものを食べなくてはならないんだ? あいつが良い物を食べているのに、何故私だけが・・・」


 怒りが湧いてきた自分に気づいて、悠大はハッとなった。


「何故、私はこんなに怒っているのだ? いらないと言ったのは、私だ・・・それなのに・・・」

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