2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
アメリカまでの飛行機の中、私は思い返していた。


『俺、アメリカに行く。だから…一緒に来て欲しい。向こうでレストランをやりたいんだ。柚葉も手伝ってくれないか?』


突然の誘いに、最初は驚いて戸惑ったけど、確かに樹の料理は、どんなものも美味しい。


特に、サンドイッチは絶品だ。


樹なら、きっと、成功できる…


私も、いつしか、樹を支えたいと思うようになっていった。


しばらく考えて…私は、返事をしたんだ。


一緒にアメリカに連れてって、って。


『嬉しいよ、ありがとう…じゃあ、もうひとつ』


『え?』


『柚葉…俺と結婚してくれ、俺の奥さんになってくれ。お前がいないと、絶対にダメだから、俺は』


2度目のプロポーズ。


今度は…ちゃんと答えないとね…


『はい、よろしくお願いします。私も、樹がいないとダメだよ』


樹さん、ニコッて笑って、私を抱きしめた。


『愛してる、柚葉』


『私も…愛してる』


そして、私達は…


初めて、キス以上のことをした。
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