2人のあなたに愛されて～歪んだ溺愛と密かな溺愛～

『あ、あの…私、運転出来ないんです。ごめんなさい』


『柚葉が謝ることないよ。樹、今日は僕が運転するから。お酒が飲みたい気分じゃないし』


柊君、優しい。


本当は飲みたいのに、運転出来ない私をかばってくれてるんだ。


樹さん、ちょっと意地悪だな…


そんな言い方しなくてもいいのに…


そうこうしてるうちに、どんどん料理が運ばれて来た。


和食って、見た目がとても綺麗だ。


ひと皿ひと皿、盛り付けが繊細で、目でも充分楽しめる。


『いただきます』


どれも美味しくて、お箸が進む。


樹さんも、久しぶりの日本食に満足してるようだった。


柊君が、いろいろ樹さんに話しをふって、樹さんはそれに答えている。


仕事の話し、プライベートな話しも。


私は、たまに会話に入ったりしながら、2人の会話を聞いていた。


カッコよ過ぎる2人の姿や仕草を見てると、 ただそれだけで、内心ドキドキだった。