Death judgment



夏休みに入ったある日、姫香は浩二の家に泊まりに行くことになった。姫香は、浩二の家の部屋でくつろぐ。

浩二は、両親は離婚し、母に引き取られるものの母を事故で亡くし、一人暮らしをしていると姫香に話した。

「姫って、怖い話とか好き?」

浩二の言葉に、姫香は「え?」と聞き返す。

「夏といえば、ホラーだろ!俺、ホラーが好きなんだよな」

浩二は笑った。姫香は、ホラーが得意ではないが、愛おしい彼のためだ、と「私も好きよ」と返す。

「じゃあ、姫から話してくれ」

浩二は、姫香に笑顔を見せた。姫香は、どんな話をしようか迷い、口を開いた。



これは、私のおばあちゃんが体験した話。おばあちゃんは、いつものように、夜遅くに仕事から帰ってきたおじいちゃんと一緒にご飯を食べ、楽しく喋っていたんだって。

その時、外から物音が聞こえ、おじいちゃんは「もしかしたら、強盗かもしれない」とおじいちゃんを先頭に外へ出たんだ。

おじいちゃんは、人影に無言で近づくと、人影の肩を叩いた。人影は驚いて即座にナイフを出し、おじいちゃんを襲った。

おじいちゃんは、昔からケンカをしていて強く、人影を一発で倒したんだ。おばあちゃんが手に持っていた懐中電灯で人影の顔を照らしてみると……。

人影の顔は、おじいちゃんの顔だったんだって。
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