しあわせ食堂の異世界ご飯５
「駄目ですよ、今日から走り込みするって決めたのはアリア様です。さあクウ、行きなさい！」
『わんっ！』
　シャルルの命令を聞いたクウは、たっと軽やかに床を蹴ってアリアのベッドの上にダイブした。
　そのままシーツの中に潜り込み、アリアの顔をぺろぺろと舐め始める。
「きゃっ、やだ……クウちゃんくすぐったいよっ！　起きる、おきるから～っ!!」
『わふわふっ』
　クウを抱きしめて、アリアは「降参！」と叫ぶ。
「うぅぅ、眠い……」
「さっ、お湯を用意しましたから顔を洗ってください。私は先にクウと下で待ってますから」
「はぁい……」
　シャルルがクウの名前を呼ぶと、アリアの腕からさっと抜け出した。そのままシャルルの下までやってきて、撫でて褒めてもらっている。

　ぐぐっと伸びをして、あくびを噛み殺しながらベッドから起き上がる。
　シャルルとクウはとっくに階下へ行ってしまい、早く準備をしなければとアリアは眠い体を動かす。
　今日から、ダイエットも兼ねた運動として毎朝走り込みをすることにしたのだ。ちなみに、クウも一緒だ。
　顔を洗ったらいつもよりラフな服に着替えて、髪をポニーテールにする。
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表紙・目次

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