キミの足が魅惑的だから
「人を酒の席に誘う前に、まずは仕事ができるようになれよ。うざい」

 俺は営業課にいる女を睨んでから、廊下を歩き出した。人に迷惑しかかけない仕事しかしないで、「今夜、飲みに行きませんか」だと。ふざけるな。

 俺は忙しいんだ。今ある仕事を、就業時間内に終わらせるというミッションがあるんだから。

 さくらを送っていくんだ。絶対に。しかも終ってから迎えに行ったのでは先に帰られる。就業時間五分前には、秘書課に行っている必要があるんだ、俺には。

 速足で営業に戻ろうとした。

 あのドアを蹴る足が綺麗だった。ずりあがったスカートから見える柔らかそうな白い太ももに噛みつきたい。俺だけの徴を存分につけて、トロトロに溶かしてしまいたい。あの赤いヒールが……たまらなく俺の性欲そそるんだ。

 あ……やばっ。

 再び意識をもった下半身に、俺は頬を火照らせる。

 まずい……非常にまずいだろ。

 さっき必死に熱を冷ましたのに……すぐに勃つって。仕事にならねえだろうが。

 兄貴も狙ってるんだぞ、さくらを。早く俺のモノにしなくちゃ、危ない。兄貴のあの笑みに騙されて、ころっていく女が多いんだ。

 さくらも、そういえば兄貴のデートの誘い……嬉しそうにしてた、な。

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