強く生きろ〜紅き誓い〜
千尋は泣きながらシュアンの手に力を入れる。シュアンは微笑み、言った。

「Nuoc mat cna ai do that dep（誰かの流す涙は、こんなにも綺麗なんだな）」

その刹那、炎の闇に千尋たちは包まれる。不思議と熱は感じなかった。深い闇の中を転がるように落ちていくような感覚がする。

闇の中で、千尋は何度も泣き叫んだ。

「またあなたに逢いたい！！武器を持たないことが当たり前のあなたに！！」

ふわりと柔らかく温かいものが千尋に触れた。



千尋が目を開けると、そこは病院のベッドの上だった。お父さんとお母さんが泣きながら千尋を心配する。

千尋は車に奇跡的に轢かれなかったものの、頭を強く打ってしまい気を失っていたそうだ。

シュアンとのことは夢だったのか、千尋は一瞬そう焦ったが、その手にはシュアンが千尋に渡した赤いリボンがあった。

そして、ベトナム旅行を終えて千尋は学校へと向かう。ベトナムへ行く前まではうつむいていた。しかし、シュアンと生きることを誓ったのだ。髪につけられたリボンを見て、千尋は胸を張って歩く。
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