妖狐の瞳に恋をした
いつもの翡翠であれば、牛鬼を返り討ちにしているか、例えケガを

しても直ぐに治るのが、今回はいつもと違い心配しているという

ことだった。

「そうだったのね。私、翡翠の側についててもいいのかな」

「はい、そのつもりでお迎えにあがったので、よろしくお願いします」

そう言って鴇くんは部屋から出て行った。

残された部屋で、布団に横になる翡翠を見た。

この3か月でだいぶ痩せてしまったようだった。

青白い顔も翡翠を失ってしまいそうで怖くなった。

すると

「瑠璃・・・いかないで・・・。瑠璃・・・。」

翡翠のうわ言だった。

未だ目覚めない翡翠の目からは、涙が一筋流れていた。

「翡翠、目を開けて。私はここにいるよ。

 もう、翡翠から離れないから、お願いだから目を開けて」

翡翠の手を両手で握り、神様に翡翠が目覚めるように祈った。
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