妖狐の瞳に恋をした
そこはオフィスビルの立ち並ぶ、大きな駅だった。

翡翠について行くと、駅にほど近い大きなビルの前で立ち止まる。

「着いたよ」

「エッ!ここなの!?」

そこは私でも知っている有名な会社“フォキシーコーポレーション”

だった。ファッション、美容、宝飾、更には不動産関係まで様々な

事業を展開し、雑誌やテレビのCMなどでも目にすることは多い。

まさか、翡翠のご両親がこんな有名な会社で働いているなんて・・・

「中に入ろう、浅葱が迎えに来てるはずなんだ。」

「えええ!浅葱さんまで、ここで働いているの!?」

「あぁ、そうだ。あ、ほら、居た。」

「瑠璃様、お久しぶりです。では、ご案内しますね」

浅葱さんは、黒縁の眼鏡をかけていて、当たり前だけど和服ではなく

仕立ての良いスーツ姿で、こうしてみるとできる男って感じ。

とても妖狐とは分からない。
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