意地悪な幼馴染は逃げた初恋を追いかける。


まず直近の仕事として、今日の昼休みの、ミスターコン説明会の資料作成に追われていた。

やっと今朝作り終わったけど、それも間違いがない確認して、昼休みの前には人数分印刷しておかなければならない。

それから、当日のスケジュール作成と、放送、裏方など細かい人員手配。

動画サイト用のプロモーションビデオ作成。

集計の仕方、当日までの各ファイナリストの動き方など、考えることは山ほど、山ほどある。


その上で、クラスの出し物(例の、お化けやしきのことだ)をまとめる学級委員とも連携を取らなければならない。


でも、何より。

何より気がかりなのは…

ある男の影が脳裏によぎったところで、神妙な表情を浮かべた優奈が声をかけてくれる。



「…終わったら、いっぱい遊びに行こうね」


私は微笑んでみせた。


「うん」


「なんかできることがあったら言ってね」


「うん。ありがとう。

今は、睡眠が欲しい…」


心からの叫びに、ご愁傷様、と優奈が答えた。

そこに、


「あ、いた。

茅野さん、おはよう」
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