【今治発地域ドラマ】恋を始めてもいいですか
最終話
その頃、いまこくでは…

達郎さんの兄がけいすけさんをどつきまわしていた。

「コラ!!オドレはなに考えとんぞ!!」
「やめてくれぇ~」
「オドレのせいで、何人の女性を傷つけたのか計算しろ!!」

けいすけさんは、泣きながらあやまっていた。

しかし、達郎さんの兄からボコボコにいてどつきまわされてボロボロに傷ついた。

あとになって、けいすけさんは達郎さんのお兄さま夫婦のセガレだったことが判明した。

そして、けいすけさんが言うた言葉はいつわりだったことが判明した。

その上に、複数の女と深刻なトラブルを起こしたことが判明した。

アタシは、けいすけさんにだまされた…

水ヶ峠のトンネルを越えて、松山市に入った頃にそのことに気がついた。

今回の一件で、アタシとけいすけさんの挙式披露宴はパーになった。

その頃、アタシはあきのりと一緒に伊予鉄松山市駅のバス乗り場に着いた。

その時、アタシのスマホが鳴った。

母から電話であったけど、出なかった。

あきのりは、アタシに言うた。

「電車に乗って、どこかへ行こう。」

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

アタシとあきのりは、伊予鉄郡中線の電車に乗って、伊予市方面へ向かった。

松前のエミフル(フジグラン)へ行く若いコたちが、たくさん電車に乗っていた。

古泉駅に電車が着いた時、エミフルへ向かうお客様がいっせいに電車から降りた。

アタシとあきのりは、終点の郡中港駅まで電車に乗った。

終点の郡中港駅に電車が着いた。

電車を降りたふたりは、改札口を通って外へ出た。

ふたりは、駅から歩いて五色姫海浜公園へ行った。

(ザザーン、ザザーン、ザザーン…)

二人は、ベンチに座って海をながめながらお話をした。

この時、あきのりはアタシに大事な話をした。

「オレ、今夜のオレンジフェリーに乗って大阪へ行く…」
「大阪へ行くの?」
「ああ…大阪についたら、電車に乗って名古屋へ行く…」
「名古屋に身よりはいるの?」
「ああ…兄夫婦が名古屋で暮らしている…兄夫婦のコネで、共立(銀行)の支店に再就職することが決まった…兄嫁の同級生が支店長を務めている…その関係で再就職することにした…」
「そう…」
「妻と離婚したあとのことについては、支店長さんの知人の弁護士さんにおまかせすることにした…」
「そう…」
「話しはそれだけ…」

しばらくして、アタシはあきのりにことのテンマツを話した。

「アタシ…けいすけさんにだまされた…」
「やっぱり、だまされたのか…」
「うん。」

アタシは、あきのりにショウサイを話した。

「けいすけさんは、達郎さんの兄夫婦のセガレだった…けいすけさん…女がらみのトラブルをたくさん抱えていたみたいよ…」
「そんな…」
「アタシ、幻滅したわ。」

アタシは、頭を抱えて落ち込んだ。

あきのりは、アタシにこう言うた。

「だから言うただろ…けいすけの時も、潤一の時も…結局はるかは相手に対して同情的になったことが原因で失敗した…自分の感情だけで押し通したから、失敗したんだよ!!」

あきのりに怒鳴られたアタシは、大きくため息をつきながら言うた。

「アタシ…どこのどこまでアホかしら…」
「はるか。」

この時、波は少し激しい音を立てて荒れていた。

あきのりは、立ちあがったあとアタシに別れをつげた。

「はるか…さよなら…オレ、出発するよ…お前は、ちがう男を選べよ…それじゃ…」

あきのりは、アタシに別れをつげたあとそのまま旅立った。

アタシは、だまってあきのりを見送るしかなかった。

その一方で、けいすけさんは異性とのトラブルを起こしたことや暴力団関係者の男たちとトラブっていたことがあからさまになった。

けいすけさんは、サギ罪などでケーサツにしょっぴかれた。

アタシは、母があの時言った言葉の意味を思い出した。

あの時、自分の都合だけで結婚したいと言うて、片意地を張っていた…

あきのり、ごめんね…

そして…

さようなら…

それから3年の歳月が流れた。

32歳のアタシは、職場の上司のすすめで上司の知人の家のご子息とお見合いして結婚した。

この時、アタシの実家は兄夫婦の家族が同居していたので、居場所はなかった。

アタシのダンナは、トーダイ卒の県職員の男性(48歳)である。

アタシは、ダンナと義母の3人で暮らしていた。

家の広間にて…

この時、3人で晩ごはんを食べていた。

しかし、そこでもめ事が起こった。

義母がアタシにみそ汁のダシの取り方がちがうと言いがかりをつけた。

ダンナは『ママが作ったみそ汁じゃないとイヤだ…』とアタシに言うた。

「ふざけんな!!」

(パチーン!!)

アタシは、ダンナの顔に往復ビンタを喰らわせた。

「ワーン!!ママ!!」

ダンナは、ビービービービービービー泣き叫んだ。

このあと、アタシと義母はひどい大ゲンカを起こした。

その翌日のことであった。

ところ変わって、アタシの実家にて…

実家の広間に、両親と兄夫婦の家族(夫婦とメイゴ(8歳)の3人)が朝ごはんを食べていた。

その時であった。

(ピンポーン…)

玄関の呼び鈴が鳴ったので、両親が応対に出た。

玄関にて…

アタシは、白のブラウスとデニムブルーのジーンズ姿で、右手にサックスバーの大きめのトランクと赤茶色のバックがついているキャリーを持っていた。

母は、おどろいた声で言うた。

「はるか…」

アタシは、ほほえみながら言うた。

「おとーさん、おかーさん…昨日、市役所に離婚届を出したわ…マザコンのダンナをすてて、こっちへもんてきたけん…あとのこと…よろしくね…」

アタシは、ヘーゼンとした表情で家に上がった。

父は、その場に座り込んでメソメソ泣いた。

「またはるかが離婚した…」

それから数日後のことであった。

アタシは、もといたハラプレックス(印刷会社)に復職した。

この時、アタシは新しい恋を始めたいと思わなくなった。

周囲の重機さんたちのオノロケ話を聞いても、アタシは『あっそう…』と言うてさえぎった。

今は、厄年だから…

新しい恋を始めることはやめておこう…

…と言うよりも、ひとり身の方が気楽でいいからカレなんかいらない…

【おしまい】
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