完璧人間サマは私に夢中。
「はぁ…。」
「あのレオが一目惚れするなんてね〜。」
凛ちゃんとお家に帰ろうと歩いているところ。
もう地下鉄から降りてあと少し行けばマンションが見えるけど、私はため息ばかりついている。
「とわはレオ嫌い?」
「いや、嫌いも何も全く知らないから…。」
「じゃあ知ればいいね!
凛が恋のキューピットになる♪」
「えぇ…。
凛ちゃん味方してくれないの?」
「だって相手がレオだもん。
とわにはあんな笑顔向けてるから
信じられないかもしれないけど、
前までは無感情人間じゃないかって言われてたんだから!」
愛想笑いとかは完璧だけど、何をしてても何をされても感情的には絶対ならなくてさ。
そう付け加える凛ちゃん。
「そんな人いるんだ…?」
「だからレオがあんなにとわを欲しがる事は
めちゃくちゃすごいことなの!
なんなら自分から話しかけてる時点ですごいし。」
「いやそれはないでしょ。」
「レオから話すのは事務連絡のみ。
プライベートな話は聞いても
うやむやにされるんだってマサが言ってた。」
なんか私、すごい人に好かれちゃった…?
私のレオ先パイのイメージ大型犬なんだけど…。
だってあんなにも近寄ってきて触ってきて優しい笑顔なんだもん。
もうこれはレトリバーだよね。
レオって名前のレトリバーいそうだし。
やばい。
想像したら笑えてきた。
「ため息の次は笑い出すって…。
なんか気持ち悪いよ?」
「ひどい!」
この後もおしゃべりしながら歩いて、ばいばいしてお家に帰った。