完璧人間サマは私に夢中。
「ねーレオー。
とわといちゃいちゃすんのはいーけど、
そろそろ休憩にしよー?」
凛ちゃんの言葉で一旦休憩することに決まった。
使用人さんなのかな?
優しそうな女の人が紅茶とケーキを運んできてくれた。
ケーキは全部ばらばらの味のようで、すべておいしそうだった。
「兎羽から選んでね。」
「えっ?でも先パイが…。」
「兎羽から選んでね。」
笑顔の圧がすごい。
ちらっとマサ先パイとユート先パイを見たけど、どうぞってジェスチャーをしていた。
仕方ない…のかな?
「すみません…。
じゃあこれで…。」
チョコレートケーキと思われるケーキを選んだ。
本当はショートケーキのが好きだけど、凛ちゃんが絶対ショートケーキ選ぶからチョコレートケーキ。
「じゃあ俺はこれ。」
レオ先パイはショートケーキのお皿を取った。
「え゛。」
「リン、どうかした?」
「いや、な、なんでもないかも。」
「そ?みんなもさっさと選んで。」
レオ先パイって他の先パイの扱い雑だよね。
そんなことを思いつつ、紅茶に口をつける。
!
おいしい!
紅茶の種類とか全然わかんないけど、これすごく好き。
「いただきまーす!」
マサ先パイの声でみんながケーキを食べ始めた。
…凛ちゃん以外。
「ねーレオー。
凛ショートケーキがよかったぁ。
ってゆーか凛がショートケーキ命なの
知ってるでしょー?」
「そうなんですね。」
「ちょっとレオ!聞いてる!?」
「兎羽、ショートケーキ好きだよね。
はい。」
いや、あの。
一口サイズのショートケーキがささったフォークをこちらに向けられても。
「とわじゃなくて凛にちょーだいっ!!」
「なんでリンにあげなきゃいけないの。
そもそも俺がショートケーキ選んだのだって
兎羽に食べてもらいたかったからだし。」
「は?」
うーん。
私ショートケーキ好きなんてレオ先パイに言った覚えないんですけど。
「意味わかんない!
とわより凛のがショートケーキ好きだもん!!」
「兎羽。あーん。」
「いや、あの、私じゃなくて凛ちゃんに…。」
「だめ。兎羽が食べて。」
「……。」
だめだこりゃ。
きっと何を言ってもレオ先パイは私にショートケーキを食べてもらいたがる。
視界の端でユート先パイがケーキを食べ終えて勉強を再開するのが見えた。
邪魔するのも悪いよね…。
このまんまだと凛ちゃんがずっとわめいてるだろうし。
諦めて先パイが差し出すショートケーキを食べた。
「あ゛ーーーー!!!!」
「リンうるせぇ。黙れ。」
「だって!とわが!」
「うるせぇ。」
「凛のショートケーキがぁ〜!」
ごめんね、凛ちゃん。
文句はレオ先パイにお願いします。
そしてユート先パイ。
邪魔しちゃってごめんなさい。