COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

「あの、実は皆でご飯を食べに行っていて…
今少しだけお時間ありませんか?」


『そうですね…家で仕事をしているので』

やはりつれない彼の返事に心が折れそうになる。
でも、ここでは引き下がれない。

皆の笑顔を思い出すと、ぐっと奥歯を噛み締めた。

「今、室長の家の近くにいるので…会えないかなって」


『…わかりました。

迎えに行くのでどこかお店にでも入っててください』

「じゃあ葵堂書店にいます」

わかりました、と彼が言うと電話は切れた。


それから15分も経たないうちに、書店に姿を現した。

彼はまだ着替えていないようで、スーツ姿のままだ。

彼の姿を見ただけで、こんなにも胸が高鳴る。

けれど同時に、着替える時間も惜しいほどに忙しい彼の時間を食い潰してしまっていることに罪悪感を感じた。
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