COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

「春田くん…おかしい…っ」

『からかわないで下さいよ!!』

お腹に手を当てて笑いながら彼を見つめると、
彼も降参だと言わんばかりに息を吐き出した後、笑い出した。

ひとしきり笑い終えると、ソファの背に身体を預けて
息を落ち着けるように深呼吸する彼の横顔を見つめた。

その膝に置かれた左手にそっと触れると、下に潜り込ませるように手を握る。

「これからちゃんと上着着るね」

『…はい』

その横顔は俯いたまま、静かに返事をした。

けれど私の手を握り返したその大きな手から、緊張が伝わってくる。

何だかくすぐったいような空気に、彼のいない方へ顔を逸らすと
顔がほころぶのを私は止められなくなった。

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*CAFE MACCHIATO
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