COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―


頬に触れていたのは、大きくて優しい彼の手。
驚いて顔を上げると、真剣な表情の彼と目が合った。

初めて見る表情。


『そうやって思わせぶりな態度をして、
いつも僕を振り回すんですよね、浄心さんは』


そう言うと彼の顔が近づく。

私を捕らえるような瞳から、目を逸らせない。


『もちろん、男としてです』

そう言うと彼は頬から手を離し、
何事もなかったかのように前を向き直した。


二人の間に鳴った無機質な機械音が

1階に到着したことを知らせた。


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*RAINY DAY
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