彼はネガティブ妄想チェリーボーイ
3時間目が終わった。
今日の日本史が終わってしまえば、明日はまだ得意な物理と数学を残すのみとなった。

沙和が俺を避けるせいで、勉強が最初想定してた以上に実は捗ってる。

休み時間、廊下に出た。
この後は教室を移動して補講だ。

沙和のクラスの前まで来ると松崎が出てきた。

「おう。」
「おう。」

松崎の背後に、沙和の姿が見える。
新庄さんと高橋さんといつも通り3人で座って話してる。

胸が痛い。
俺はいつも沙和のクラスの前を通るとき、こうして見てきた。

いつも沙和が何してるのか気になって目で追ってしまう。

完全な片想いだ。
こうして付き合った今も。

荒木と松崎が歩き出してることに気付いて俺はすぐに追いかける。

ああ、ダメだ俺。

恋だけは全然うまくいかない。


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