その少女は夢を見る

人間嫌いの少女と呼ばれています。



とある一つの公園。



時間はまだ朝早く、犬の散歩をする人が時々見えるくらいのもので、それ以外に人の姿は見えない。



そんな公園で唯一見つかる人影。



ベンチに座る一人の少女。



その少女は静かに空を仰ぐ。



見失ったものを見つけるかのように。



黒く背中の半分くらいまである長い髪を耳より下で一つに結い、前髪は長めで右に流し…それでも左にも流れ、顔が見えづらくなっている。



瞳も黒く、その目はどことなく濁っており、何を見ているのか遠くを見つめている。



何処かの学校の制服を着ている少女は、静かに言葉を紡いだ。



『さーて、今日も愚かでくだらない一日が始まりましたよー、っと。』



彼女はそう言うと、今まで座っていた腰を上げ、ベンチから立ち上がり何処かへと向かう。



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