一途な執事と甘いティータイム



委員会の時間が近づいてくるにつれてだんだんと人が集まってくる。



……ん?



ガラッと音を立ててドアが開かれた向こうにいる人影には、よく見覚えがある。



「……有嶋?」



そんな私の呟いた声に反応したのか、隣にいた大河がふと顔を上げてドアの方を見た。



バチッと有嶋と目が合った。



そして有嶋はすぐに視線をそらして席に着いた。



「へぇー、面白いじゃん」



「えっ?」



いつものチャラそうな明るい声とは打って変わって、意味深な笑みを浮かべながら低い声で呟いた大河。



そんな大河の横顔はとても不気味だ。



その視線の先は間違いなく私の専属執事である有嶋。



大河と有嶋ってなんか接点あったっけ?



そういえば夏休み中にあったパーティーの時もこんな状況になったような……



「ねぇ、大河は有嶋のこと知ってるの?」



「もちろん、よーく知ってるよ。突然逃げ出して、今は桜宮グループの執事として身を潜めていることもね」


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