月夜に笑った悪魔


そして今日も、窓の外から綺麗に見える月。


夏が終わり、日が沈むのが早くなってきた。
前まで、この時間でも空はまだ明るかったはずなのに。


暁といる時は、いつも以上に月がきれいに見える。

……それはなんでだろうか。



開いた窓から入ってくる冷たい風。
もう、夜は肌寒い。



肌寒いはずなのに……今は、体が熱い。


激しく鳴る心臓の鼓動。
彼の瞳から目が離せない。






なにも言えないでいると、彼の顔がまた近づいて。


唇が重なる、その寸前──。





急に、部屋に鳴り響いた着信音。


その大きな音に、心臓が飛び跳ねた。

暁はピタリととまると、私から完全に離れ。
自分のズボンのポケットの中を探ると、スマホを出して通話ボタンをタップ。


彼は立ち上がり私から離れたところで電話をするが、その表情はとても真剣。

おそらく、シゴト関係の電話。


ついさっきまで触れられていたから、急に離れると込み上げてくる寂しさ。

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