月夜に笑った悪魔


「暁!美鈴ちゃんを早く車へ!」


聞こえてくる良典さんの声。


暁は私をすぐに抱きかかえると、車へと乗せた。
そして走り出す車。





私は止血してくれる暁に「死なないよ」「大丈夫」と何度も伝えたが「傷が開くから黙ってろ」と言われてしまい……。





彼の袖をつかみながら、『絶対に暁にはもうなにも失わせない』、その想いだけは強く心に残していた──。

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