ハジマリ
「だから…彼氏を前提とした友達になってくれませんか?」

彼氏前提の友達…面白い事言うなぁ。

「友達として付き合いつつ俺の事をちゃんと知ってもらって、少しでも好きになってくれたら、その時は友達から彼氏に昇格してもらえたら嬉しいなって…あぁダメだ俺、何言ってんだろ。肝心なところでキメきれないし。」

横山君は頭を抱えて1人で落ち込み始めた。

「…はい。」

「…え?今『はい』って…言った?」

頭を抱えていた横山君は、私の返事を聞くと驚いた様子でパッと私を見る。

私はにっこりと笑顔を見せた。私の笑顔で聞き間違えではないことを悟ると、横山君は嬉しそうに私を抱きしめた。

「勇気…だして良かったぁ。ありがとう。」

私の耳元で囁く。抱きしめた横山君から心臓がバクバクしているのが伝わってくる。私のドキドキも…伝わっているかな。

「ご、ごめん。これは友達にする事じゃないね。」

横山君は抱きしめていた手をパッと離す。改めて横山君の顔を見ると真っ赤になっていた。

「恥ずかしいから、今は顔見ないで。」

私の視線に気づいたのか、横山君は自分の顔を片手で隠した。

「あはは。ねぇ…友達付き合いってどうしたらいいかな?」

私は横山君に尋ねる。男友達のいない私は男女の友達付き合いがピンとこない。

「俺も分からない。自然の流れに任せよう。とりあえず…一緒に帰ろうか?」

「うん。」

こうして、私と横山君の彼氏を前提とした友達付き合いが始まった。

この先どうなるか分からないけど、この短い時間、横山君と話をして何となく予感はあった。

キスのフリも抱きしめられたのも全然嫌ではなかった。話をしてうちに彼に惹かれる自分がいた。

きっと私は横山君の事好きになる…

そんな予感…。

< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:10

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

許されるなら一度だけ恋を…

総文字数/65,656

恋愛(純愛)121ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
代々伝わる名家『華月流』家元の一人娘の桜は、次期家元となる男性を探す為お見合いを続けていた。 父との約束で一年以内に婿養子をとらなければいけないけど、桜は恋愛対象外の男性に想いを寄せていて。 本当は自由に恋をしたい…… でも…… 跡継ぎ問題に自分の想い。 桜にどんな未来が待っているのか? 他サイトでも掲載中です。
溺愛なんてされるものじゃありません

総文字数/73,346

恋愛(純愛)101ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
社長御曹司と噂されている超絶イケメン 平国 蓮 × 干物系女子と化している蓮の話相手 赤崎 美織 部署は違うが同じ会社で働いている2人。会社では接点がなく会うことはほとんどない。しかし偶然だけど美織と蓮は同じマンションの隣同士に住んでいた。蓮に誘われて2人は一緒にご飯を食べながら話をするようになり、蓮からある悩み相談をされる。 顔良し、性格良し、誰からも慕われるそんな完璧男子の蓮の悩みとは…!?
いつか咲う恋になれ

総文字数/91,574

恋愛(学園)163ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
いつか咲(わら)う恋になれ 九州にある進学校に入学して、順風満帆な日々を過ごしていたけど…… 紗倉穂花 × 香月真尋 友達の事、彼氏の事、悩みが尽きない穂花は偶然事情を知った真尋に色々話を聞いてもらっていた。 そして悩みが解決した時、真尋は穂花にこう言った。 『恋愛ごっこしてみない?』 恋を知らない学校一のモテ男子との恋愛ごっこは一体どうなるのだろうか。 素敵な表紙絵はいのうえ えい様に描いて頂きました。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop