青の秘密を忘れない
「今度の土曜日、帰省しようと思うんだけどどうかな?」

家に帰ってきた正臣にそう言われた時、思わず頬が緩んでしまった。

「青子、最近帰りたがってたしいいよね」

帰省できることが嬉しいと思われたようだ。

「もちろん!……帰ったら、友達と遊んでもいい?」

正臣は、そう聞く私を優しく抱きしめた。
思わず私は身体が強張ってしまう。

「いいよ、俺も友達と会う予定あるしね」

そうして、少し唇を突き出して私のことを見下ろす。
ああ。心が急激に冷えていくのを感じた。
私はかつて……青井君を好きになる前と同じように、背伸びをして彼にキスをした。

急にキスをしなくなるのは不自然だから、仕方ない。
夫が可哀想だから、仕方ない。
絶対に青井君のことはばれてはいけないから、仕方ない。
そういくら考えても、気分は落ちていく。
青井君の顔が浮かんで胸が痛い。

でも、私にはお守りがある。
「ずっと青井君と一緒にいられるますように」と願った。

私は正臣に笑いかけてその場を離れて、彼にばれないように唇を強く洗った。
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