エリート御曹司と愛され束縛同居
「……契約書はあったのか?」
どこか威厳のある声にこの人はもしかしたら高い役職に就いている人なのか、と思う。
若干警戒しつつ、立っている場所まで近づく。
「もちろんあります。これです」
クリアファイルに入った契約書を差し出す。
さすがに手渡して破かれでもしたら困るので渡すつもりはない。
「見せろ」
それなのにひょいっと私の手中からファイルが取り上げられた。
「返して下さい!」
慌てて手を伸ばすけれど、そこは身長差という悲しい現実が立ちはだかる。
必死に背伸びをしても高く掲げられて届かない。
男性らしい骨ばった指が数枚の契約書のページをめくる。
指まで長くて綺麗だなんて、もう嫌味としか思えない。
「お前……岩瀬澪じゃないのか?」
「岩瀬ですけど、『れい』ではなく『みお』です」
なにを言っているの?
確かに、時折私の名前を『れい』と呼び間違える人もいる。
恐らく同じ漢字でそういう名前の人が知り合いにいるのだろう。
「嘘だろ……女なのか」
美形男性は愕然とした表情を浮かべ、自身の目を大きな手で覆っている。
しばらくして、手を外した後、あっさりファイルを返してくれた。
対する私はまったく意味がわからないし、この人がなににそれほどショックを受けているのかも不明だ。
どこか威厳のある声にこの人はもしかしたら高い役職に就いている人なのか、と思う。
若干警戒しつつ、立っている場所まで近づく。
「もちろんあります。これです」
クリアファイルに入った契約書を差し出す。
さすがに手渡して破かれでもしたら困るので渡すつもりはない。
「見せろ」
それなのにひょいっと私の手中からファイルが取り上げられた。
「返して下さい!」
慌てて手を伸ばすけれど、そこは身長差という悲しい現実が立ちはだかる。
必死に背伸びをしても高く掲げられて届かない。
男性らしい骨ばった指が数枚の契約書のページをめくる。
指まで長くて綺麗だなんて、もう嫌味としか思えない。
「お前……岩瀬澪じゃないのか?」
「岩瀬ですけど、『れい』ではなく『みお』です」
なにを言っているの?
確かに、時折私の名前を『れい』と呼び間違える人もいる。
恐らく同じ漢字でそういう名前の人が知り合いにいるのだろう。
「嘘だろ……女なのか」
美形男性は愕然とした表情を浮かべ、自身の目を大きな手で覆っている。
しばらくして、手を外した後、あっさりファイルを返してくれた。
対する私はまったく意味がわからないし、この人がなににそれほどショックを受けているのかも不明だ。