エリート御曹司と愛され束縛同居
「愛してる、澪。これからずっとよろしく」

「私もあなたを愛してる……!」

たくさんの気持ちが混じって零れだした涙を長い指がそっと拭ってくれる。


最初は完璧すぎて近寄るのも緊張していた。

自分以外の誰かを本気で好きになれる恋愛ができるなんて思いもしなかった。


そっと重ねたキスは涙の味がした。


「婚約指輪を買いに行こう。俺の両親にも会わせたいし、同棲じゃなくて澪を早く妻にしたい」

有言実行の副社長が妖艶な眼差しを向ける。

どうやら社長夫妻には前々から話をしていたらしく、社長夫人にはいつ自宅に連れてくるのかと何度も催促されているそうだ。

もちろん婚姻届の承認欄の記入も快く引き受けてくださるという。

「佐久間社長が残念がるだろうが……改めてご報告に伺おう。俺の恋人は多方面で愛されているから気が気じゃない」

その言葉に頬が熱を持つ。

なぜか圭太のご両親は本気で私を息子の妻にと考えてくれていたらしく、事あるごとに九重社長に苦言を呈していたらしい。

そうは言っても最終的には応援してくれるおふたりには感謝の気持ちでいっぱいだ。


「一緒に帰ろう」

そう言って迷いなく抱きしめてくれる腕に身を委ねた。

これから先、願わくば私がこの人を守れますように。



END

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