【放浪恋愛】まりなの日記
まりなの日記・7

【再び流されて…】

11月10日・晴れ

今治に居場所をなくしたアタシは、再び各地を転々とする暮らしを続けていました。

たどりついたところは、北九州の門司でありました。

アタシは、門司で暮らしている女子高時代の友人の家に転がりこんだ後、友人の紹介で下関東大和町にある食品製造工場に再就職をしていました。

今度こそは一から出直そうと決意して、食品製造工場で働いていました。

しかし、アタシのドアホな性格は改まりませんでした。

食品製造工場に再就職をしたアタシに与えられた仕事は、完成したカンヅメを段ボール箱につめてゆく仕事です。

しかし、アタシの心は物足りなさを感じていた…

従業員の寮と工場の往復で、朝の9時から5時半まで与えられた仕事をして、食事は朝夕は寮のおばあちゃんが作ってくださった温かい料理、昼は給与引きの約束でお弁当を注文して栄養をつけていた…

休日は、会社の球技大会に参加をして、日々のストレスを発散するのと同時に会社の人たちとコミュニケーションを取る…

そんなことばかりの繰り返しが続くことに、アタシは違和感を感じていました。

この日アタシは、同じ工場の女性従業員さんたちのグループ7人から誘われて、遠方へドライブに行きました。

アタシたちは、A子(37歳)が運転するエルグランド(ミニバン)に乗って、高速道路を通って徳山(山口県周南市)まで行った…

徳山に到着後、A子が食べログで見つけた徳山駅前の大通りにオープンしたおしゃれなカフェレストランへランチを食べに行きました。

この店は、東京乃木坂にある有名人がよく立ち寄るカフェレストランの2号店であります。

みんなは、カリスマファッションモデルさんがプロデュースした1万2000円のカレーライスをお目当てにやって来ました。

1万2000円のカレーライスは、スパイスが最高級のクミンを使っていることと、サラダに使っている野菜がオランダ産で、カレーの肉もなんと、高級のオーストラリア牛のビーフのビーフカレーであると言うことで、女性の間で大人気メニューでありました。

しかも、このビーフカレーは1日10食限定なので、うちらは朝の4時に出発して、早いうちにこの店に来て開店時間を待っていた…

開店時間と同時に、店に入るなりお目当てのビーフカレーを注文した…

お腹が満腹になった後も、アタシたちは徳山の中心部のレストランをハシゴした…

夕方6時半に、B子がホストクラブに行かないと言うたので、アタシたちは徳山第一ホテルの裏手にある酒場街が立ち並んでいる地区へ行った…

お目当てのホストクラブは、ある5階建てのテナントビルの4階にあります。

そこのお店で、アタシは年下のホストに一目惚れをしました。

カレの源氏名は『たくみ』で、年齢は26歳で顔はイケメンの韓流スターによくにていた男前のホストでした。

たくみは、偶然アタシの横に座ってきた…

彼と楽しくお話をして行くうちに、アタシは彼のことが好きになってしもた…

夜9時頃、アタシたちがレジでお勘定をしていたときに非常事態が発生しました。

持ち合わせが少なくなっていたけん、みんながパニックになっていた…

このままでは、下関に帰ることができない…どないしよかとパニックってた…

その時に、たくみがうちらのところへ来て『ぼくが料金を立て替えてあげようか?』と言うてワンセット分の料金を立て替えてくださった…

それと引き換えに、アタシが徳山に残ることになりました。

アタシはこの時、たくみのことが好きになっていたので、早々と工場をやめて、カレと同棲生活をすることを選びました。
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