【放浪恋愛】まりなの日記

【アタシは、またやさぐれ女として生きると決めたのに…】

3月14日・晴れ

アタシは、3月中に福岡を出て京都に行くことを決めました。

京都のモデル事務所からオーディション合格の通知を受け取ったアタシは、いつでも旅立てるように準備を進めていました。

京都市内のマンスリーアパートの契約が取れて、落ち着く先が決まったので、遅くても3月30日に旅立つことを決めました。

残りの日々を悔いなく福岡で暮らして行こうと決めたアタシにようやくゆとりができましたが、こう言うときにかぎってあいつらの家のアホねえがアタシに泣きついてきた…

この日の夕方、アタシは那珂川沿いの公園で営業をしている屋台のおでん屋さんの桟敷席で、オユワリ(ショーチュー)をのみながらはんぺん(おでん)をつまんで物思いにふけていた…

その時に、アホねえがアタシのもとへやって来て、アタシに助けてほしいとお願いをしていた…

アタシは「断るわ!!」と言うてからアホねえにこう言うたったわ…

「あんたね!!どうしてアタシにばかり助けを求めてくるねんな!?自分たちの力でどうにか乗りきってゆこうと言う気持ちがないけんこななことになってもうたのでしょ!!都合が悪くなれば女にしがみつくことしか知らへんひ弱な男とやり直せだなんて…そんなん死んでもイヤや!!」
「まりなさんお願いです!!もう一度だけ父にチャンスを与えて下さい!!父はこの最近、仕事がうまく行かずにすごく苦しんでいるのです…お願いです。」
「断るわ!!」
「どうしてなのですか!?」
「あんたの家は、いつから犯罪者をかくまうようになったのかしらねえ!!冗談じゃないわよ!!アタシがイヤと言うてはるのにしつこいわね!!」
「まりなさん!!私たちは家族と仲良く暮らして行きたいのです!!私たち家族が必死になってお願いをしているのに、どうして拒否するのですか!?」
「あんたね!!どこのどこまでしつこいのかしらね!!アタシはあんたの父親にレイプされて、心身ともにボロボロに傷ついてはるのよ!!これ以上レイプ魔をかくまうのであれば、あんたの父親の会社の取引先にヤクザ送り込むわよ!!」
「まりなさん!!それはやめてください!!あんまりすぎます!!」
「それはこっちのセリフだわ!!あんたたちは家族ぐるみでアタシを押さえつける気なの!!冗談じゃないわよ!!アタシはね!!今度こそはやさぐれ女として生きて行くと決めたねん!!あんたの父親にこう言うておいて!!今度会ったらタダでは済まないと言うことをね!!アタシのノミダイを、あんたが払っておいて!!アタシ!!帰るけん!!」

アタシは、アホねえにこう言うた後、赤茶色のバッグを持ってその場から立ち去りました。

アホねえは、その場にすわりこんで声を震わせて泣いていた…
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