【放浪恋愛】まりなの日記
まりなの日記・2

【カレのもとへ…】平成4年

3月2日・雨

広島宇品港でフェリーを降りたアタシは、ゆうべはJR広島駅前にある安いビジネスホテルで一夜を過ごしていた…

早朝にホテルを出たアタシは、キャリーバッグを持ってJR広島駅から山陽本線の上りの電車に乗って、彼が暮らしている松永(広島県福山市)へ向かっていた…

アタシは、松永駅に着くまでの間に、いろんなことを考えていた…

今後の人生のこと…

そして、新生活のことなど…

アタシは、この先の生活に不安を抱えたまま、カレの元へ行こうとしていた…

電車がJR松永駅のプラットホームに着いた…

アタシは、キャリーバッグを持って電車から降りたあと、改札口を通って駅の外へ出た…

アタシは、冷たい菜種梅雨(あめ)が降っている中を歩いて、カレが暮らしているアパートへ向かっていた…

カレが暮らしているアパートに着いた…

アタシは、不安げにドアをノックした…

(コンコン…ガチャッ…)

部屋の中にいた彼がドアを開けた…

「まりな。」

カレは、キャリーバッグを持ってさびしげな表情を浮かべているアタシをみたので、おどろいていた…

アタシは、カレに今のアタシの気持ちを伝えていた…

「アタシ…今日からあなたと…暮らします。」

アタシの言葉を聞いたカレは、アタシを力強く抱きしめて、切ない声でアタシに言うていた…

「まりな…会いたかったよ…」

アタシはその夜、カレの温かい胸に抱かれて一晩中甘えて眠っていた…
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