【放浪恋愛】まりなの日記

【トッポギ】

4月7日・くもり

ここで、心暖まる話をひとつしましょうか…

アタシがバイトをしている焼肉屋さんのチュウボウにいて、いつものように焼き肉に使う野菜を切り刻む仕事をしていました。

昼の3時から開店時間の間は、アタシと奥さまはチュウボウにいて、アタシは野菜を切り刻む仕事を、奥さまは焼き肉に使う肉類をさばく仕事にそれぞれ取り組んでいました。

その時にご主人様は、商店街の近くにあるパチンコ屋さんに行っていた…

ご主人様は、毎日のようにごきげんな表情でたくさんの景品を持って帰って来るので、そのたびに奥さまがご主人様に『パチンコをしているヒマがあるのだったら店を手伝ってや!!』と怒鳴っていました。

アタシは、昼の3時から夜の10時頃までチュウボウで野菜を切り刻む仕事を続けていました。

そんな時に、店の奥さまが『まりなちゃん、おなかすいてはるでしょ…トッポギ買うて来たから、ひと休みしてや。』と優しくアタシに声をかけたあと、焼肉屋さんの近くにあるトッポギ屋さんのお手製のトッポギ(250円)を差し出していました。

アタシは、奥さまから受け取ったトッポギで夕食を摂っていました。

アタシは『鶴橋に来てよかったな…』と思いながら涙をこぼしました。

そんなトッポギの味は、涙でトウガラシの辛さも世の中の世知辛さもうすまっている…ちょうどいいお味でありました。

(他にも、奥さまのお手製のユッケやたこいためもおいしかったな~byeまりな)
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