幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
22章:再び二人の通勤風景

「おはようございます」
「……おはよ」

 朝から、身体のあちこちが痛い。あれから何度も何度も、あれやこれやと……!
 いや、自粛しよう。これ以上思い出したら恥ずかしくて死ねる。

 ただ、私が窓の外の様子に気付いたときにはいつの間にか空は明るくなり始めていた。そして、それを見たのが最後、私は体力をすべて失い、夢も見ずぐったりとして眠っていた。
 対して、健一郎は、そのまま眠りもせず、今朝も元気にツヤツヤした表情で目の前にいる。さらに朝食を作っていたらしく、もうきっちり着替えて、エプロンまでしていた。

「三波さん、大丈夫ですか?」
「どこの誰がそれ言うの……!」
「お詫びに、僕がお休みの申請をしておきます」
「こんな恥ずかしい理由で休みたくない!」
「別に恥ずかしい話ではないですし、むしろその状態で勤務しているほうが……」
「なによ?」

 言葉に詰まった健一郎に詰めるように言うと、健一郎はじっと私を見て口を開いた。

「声も枯れてて、目もまだ赤いですし。僕のものだと自己主張しまくった証もくっきり残ってますし……。大人なら誰でも三波さんの様子みたら、その原因がわかりますよ?」
「~~~~~!」
 私はその言葉に、声にならない声で叫んでいた。
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