幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
24章:染まる日常

「ねぇ、ちょっと待って」

 部屋から出た私を追いかけてきたのは、やっぱり藤森先生だ。
 ストーカーには慣れているともいえる私だけど、藤森先生がついてくるのは気持ち悪い。

 先ほどのこともあるし、どうもこの医師は危ない。

「ついてこないでください! しつこい!」

 私が怒って後ろからやってくる藤森先生を振り返った時、前から来た白衣の医師に、ドン、とぶつかってしまった。患者さんじゃなくてよかったけど怒られるよなぁ、と思いながら、頭を下げる。

「も、申し訳ありません!」
「……三波さん?」

 目の前にいたのは、健一郎だったのだ。
 これだけ医師や看護師や患者がいる中で、このタイミングでこうして健一郎に会うことがあるのだろうか。

ーーー間が悪いとはまさにこのことだろう。

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