幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。
26章:風邪

 大学病院には、主に患者さんや病院関係者の使用する病院の食堂と、主に学生や職員が使用する学食がある。
 主に、と言うだけで、関係者以外も利用することができることは、意外に知られていない事実だ。

 基本的にはどちらの食堂にもあまり顔を出さないのだが、その日は、周りのランチの店が閉まっていて、森下先生と病院の食堂でお昼を食べようということになった。
 病院の食堂は人が多いが、メニューが豊富でバランスも良い。さすが病院内だ。

 私は麻婆豆腐定食のA定食を選び、森下先生はラーメンの麺定食を選んで座席につく。
 食べだしたところで、
「最近、疲れてる?」
と森下先生が私に聞いた。

 ギクリとすると、森下先生から目をそらした。
「……いや、別に。仕事多いからですかね……」
といいつつ、確かに仕事と健一郎のせい(結局ああなる。ああなる、の部分は深く追求しないでほしい)で多少疲れが来ているのは確かだ。寝不足のせいか、多少頭痛もしている。
 しかし、今日は、少し関節も痛い気もする。
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