幼馴染でストーカーな彼と結婚したら。

「だから言ったでしょう。『あちらが三波さんを友達と思っているかどうかなんてわからない』と」
「でも、そんなんじゃなくて……告白されそうになったけど、別に何かあったわけじゃない! 本当にそうされても絶対断るもん!」
「でしょうね。あなたはそういう人だ」
 健一郎は言い切る。そして続けた。「三波さんは、『病院のための政略結婚』という形で無理やりにどんな結婚相手が決まったとしても、その相手を裏切るようなことは絶対にしないでしょうから」
「どういう意味……?」
 なんとなくわかるが、なぜ今その話をしているのかわからない。

「最初はそれだけでもいいと思ってなんとか入籍だけしました。しかし、最近は三波さんもそれだけではなくなってきている、と思っていたので、余計に……」
 そう言って、健一郎は下を向き、唇を噛んだ。
 その仕草に、また胸がドキドキと高鳴る。いつもバカみたいにくっついてきて、ただストーカーで変態な健一郎と話している感じがしない……。

 そう思ったところで、健一郎は顔を上げると、私の目をまっすぐ見据えた。
 目が合った瞬間、さらに胸の鼓動が速くなる。
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