雨と霧と煙の異世界生活


一体いつから後ろに居た!?



そう思いながら走り続ける。



足が縺れそうになるけれど、止まれば死ぬ…だから絶対に止まれない。



そう思っていたその時、



雅「っ、あ、」



雅がその場に転んでしまう。



麗子「雅!!」




咄嗟に雅を守るため、覆い被さるママ。



「ふへへ…お前ら両方喰ってやる…!!」



…まるで、鬼滅の1話…禰豆子ちゃんが、弟を守ろうとした時のよう…。



…あれでは、弟は助からず、禰豆子ちゃんは…鬼となった。



『…ダメだ…させるかっ…!!』



二人に迫る鬼の視線から外れ、地面から木の根を持つ。



嗚呼クソ、やっぱり地面の中まで入ってるよな、重い…でも!!



『来いよっ、火事場の馬鹿力…!!』



そう言いながら、無理矢理引っ張り抜く。



二人にしか目が行かない鬼…鬼は一体だ。



これならっ…



『っ…あああああ!!』



怖い、怖いよ、バレたら死ぬかもしれない、僕が死ぬのかもしれない。



…でも、



『雅っ…ママっ…』



死なせない、死なせたくない…!



あの小さい手も、優しい笑顔も、両方失いたくないんだよ…!!



例え僕の命が尽きようが…二人は、必ず僕が守る…!!



『よしっ、』



木の根を持ったまま木の周りを回り、そのまま鬼の後ろへ回り込む。



鬼の足元を木の根で掬い…思い切り、引っ張る。



「あああ!!何だこれ!!」



『見て分かんねぇの?木の根だよ、ばーか。』



そう言い、挑発気味に笑いながら…後ろに手をやり、二人に走るよう合図する。



雅「楓っ…」



もちろん死ぬ気は毛頭ない、怖いし。



てか二人が走ってくれないと僕も走るに走れないんだよね、早く行け。



その気持ちを込めて二人を見れば走り出す。



『…っし、じゃあねー馬鹿鬼さん!!』



とだけ挑発してから、二人を追って走る。



人を挑発するのは得意だ、僕馬鹿なのかなとは思うけど得意だ(真顔)



まあ相手、人じゃなくて鬼なんですけどねえ!!



「待ちやがれ!!小僧!!」



『彼奴今小僧って言った!?』



麗子「男扱い乙w」



雅「くそw今笑わせる?w」



『笑ってる暇あったらとりあえず遠くまで走れ馬鹿!!』



てか!!僕は!!女だぁ!!



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