雨と霧と煙の異世界生活


―楓side―









「…ごめんね。」









そう、囁くように、呟くように、誰かが僕にそう言ってくる。









「あなたにこれ以上負荷を掛けたくはないのだけれど…。」









その声は、とても優しく…心から反省してるような、悲しい声。









「やっぱり…あなたにしか出来ない…。」









美しくも可愛らしいその声は…一体何処から聞こえているのだろう。









「…お願い、どうか_______…」









その声が僕に届くことはなく…









まるで、ノイズがかかるようで…









「…頼み、ました…。」









…何でそんなに、悲しい声をしているの…?









< 20 / 28 >

この作品をシェア

pagetop