桜が散る頃君はいない
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〜柊〜

「俺と付き合ってください。」

この言葉に承諾したことが、これからの未来後悔になるのか、自身に繋がるのか。

15年前。

「ねぇ、千花。白雪姫って知ってるでしょ?」

「うん!魔女に、毒りんごを食べさせられて倒れた白雪姫は、ガラスの棺桶に小人たちが入れてくれて、王子様のキスで目が覚める話でしょ!」

「そうよ。白雪姫ってね、
ただガラスの棺桶に入れてくれただけじゃないのよ?
ガラスの棺桶には、花がたくさん入ってたの。
最後まで美しくあるようにって。」

それは、叶ったのか。

成年になった俺は、シンデレラみたいだ。

けど、全然ちがう。
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