桜が散る頃君はいない

〜千花〜


「仲直りしなきゃな。」

朝からずっと、窓の外を見ていた。

この1か月ずっと、病院の中にいて、正直。

「暇だよ!」

いつになったら、柊は来るかな?

ずっと考えて考えて考えてると柊は来る。

「よ!」

「おはよ。」

「なー千花。暇じゃね?俺と外の世界へ行きませんか?」

「でも…。」

「外出許可は出てますよ。」

それから、ピクニックして、(ご飯は栄養分が限られてるから食べれないけど)

散歩して、おしゃべりして。

まるでどこかの髪の長いプリンセスの気分。

「はぁー楽しかった!ありがとう!」

「次は、どこ行きたい?」

「え?」

「次。遊園地?レストラン?プール?どこでも連れて行ってやるからな。」

まるで、これから先いつまでも私が生きるような言い方だね。

嬉しいけど、受け止められないや。
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