クールな婚約者との恋愛攻防戦
「じゃあ、遊園地に行きたい」

と、自分の意見をはっきりと伝えるも、


「遊園地?」

思い切り渋い顔をされてしまう。あ、行きたくないんだ、と瞬時に分かる顔だった。


でも残念ながら、そこで引き下がるような潮らしい女でもない自覚はたっぷりある。


「行こうよ! デートと言えば遊園地でしょ?」

「……お前確か、恋愛結婚には興味なかったんだよな? それなのに、そんな王道のデートスポットには行きたがるのか」


恋愛結婚に関しては、確かに興味はなかったし、そんなの出来るはずないって諦めてもいた。


今だって、もし目の前にいる婚約者が樹君じゃなかったら、一緒に遊園地行きたいとは思わなかったかもしれない。


でも、樹君のことをもっと知りたい。
デートじゃないとは言われたけど、せっかく二人で出掛けるのだから、デートがしたい。



「行こうよ。どこでも連れて行ってくれるって言ったじゃん」

「分かったよ」

「え、ほんとに? 意外にあっさりと了承してくれたね!」

「だって諦めなさそうだし」


よく分かってる。

そんな訳で、明日の土曜日は二人で遊園地に行くことに決定した。楽しみだなぁ。
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